国別

フィリピン

人口約1億1千万人。急速に経済成長する一方で、1,700万人以上が国の貧困線を下回ります。 地域と職業による差が極端に大きく、「平均」を見ても実態が分からない国です。

関連する SDGs1貧困をなくそう

フィリピン

Republic of the Philippines

地域
東南アジア
首都
マニラ
人口
約1億1,800万人2026年推計

地域と職業による差が極端に大きく、平均を見ても実態が分からない国。このサイトで最も深く掘っています。

数字

数字で見る

15.5%
人口ベースの貧困率
2023年。2021年の18.1%から低下
1,754万人
貧困線を下回る人の数
2021年は1,999万人
₱13,873
5人家族の月あたり貧困線
2023年。食料のみの線は月₱9,581
₱64
1人1日あたりの食料貧困線
政府自身が「実態に足りない」と認め見直しへ

いずれも PSA(フィリピン統計庁)2023年 公式貧困統計。 公式統計は3年ごとの家計調査(FIES)が基準で、2025年調査の結果は2026年8月時点で未公表です。

全国の貧困率の推移(人口ベース)

PSA の公式貧困統計。2020年前後のコロナ禍で一度悪化し、2023年に改善しました。2025年 FIES の結果は未公表。

10 15 20 16.7% 2018 18.1% 2021 15.5% 2023

同じ国の中の差

全国平均を見ても、この国の貧困は分かりません。地域と職業で、桁が変わるほどの差があります。

地域による差(世帯ベース、2023年)

全国平均は10.9%。全17地域のうち出典を確認できた9地域のみを表示しています。

⚠ このデータセットは未完成です。取り込めた範囲のみ表示しています。

ザンボアンガ半島 24.2% 最も高い
BARMM(ムスリム・ミンダナオ) 23.5% 2018年は52.6%
ソクサージェン 22.9%
ビコール 20.3%
東ビサヤ 20.3%
西ビサヤ 9.8%
イロコス 8.4%
カガヤン・バレー 7.2%
マニラ首都圏(NCR) 1.1% 最も低い
地域別の貧困率(世帯ベース、2023年) 24.2% 23.5% 22.9% 20.3% 20.3% 9.8% 8.4% 7.2% 1.1%
世帯ベースの貧困率 5%未満5〜15%15〜22%22%以上

職業・属性による差(2021年)

漁民と農民は2015年・2018年・2021年と一貫して最下位。2023年には漁民27.4%、農民27.0%まで改善しました。

漁民 30.6% 2023年は27.4%
農民 30% 2023年は27.0%
子ども 26.4%
農村部の住民 25.7%
都市部の住民 11.6%
高齢者 10.3%
移住労働者・正規雇用 10.2%

なぜ食べ物を作る人がいちばん貧しいのか →

お金以外の指標

収入だけを見ていると、貧困が世代をまたいで固定される仕組みが見えません。栄養と学習は、その仕組みの中心にあります。

5歳未満の発育阻害(stunting)

慢性的な低栄養の指標。所得階層による差が大きく、最も貧しい20%では37.2%にのぼります。

2019年 全国 26.7%
2023年 全国 23.6%
2023年 最貧困層20% 37.2% 同じ国の中の差

出典

  1. UNICEF Philippines「Raising the Bar」(取得: 2026年8月20日)

10歳で年齢相応の文章を読めない子どもの割合

「学習貧困(learning poverty)」。就学率ではなく、学校に通っていても読めていないことを示す指標。近隣国との差が大きいです。

フィリピン 91% 10人に9人
インドネシア 53%
タイ 23%

学校には行っている。でも読めない →

課題

6つの切り口で見る

「フィリピンの貧困」と一口に言っても、誰の、どの貧困を見るかで、必要な支えは変わってきます。6つの切り口でまとめました。

  1. 01 地域づくり 都市の貧困 — 統計上は「最も豊かな地域」の中にある マニラ首都圏の貧困率は1.1%で、全国で最も低い数字です。それでも、数百万人規模のインフォーマルな居住地があります。率が低いことと、人数が多いことは両立します。 地域ごと取り残される
  2. 02 生計・仕事 食べ物を作る人が、いちばん貧しい 漁民と農民は、2015年・2018年・2021年と続けて最も貧困率が高いセクターでした。2023年もそれぞれ27.4%、27.0%で、全国平均の倍近くになっています。 働いても暮らしが成り立たない
  3. 03 教育 学校には行っている。でも読めない 10歳のフィリピンの子どもの91%が、年齢相応の文章を読んで理解できないと推計されています。インドネシア53%、タイ23%と比べても高い数字です。 学校に通えない・通っても学べない
  4. 04 保健・栄養 発育阻害 — 20年ほとんど改善していない 5歳未満の23.6%が発育阻害の状態にあります。全国では少しずつ下がっていますが、最も貧しい20%の層では37.2%と、差が大きく開いています。 栄養と医療が届かない
  5. 05 防災・災害復興 台風が、貧困を毎年つくり直す 貧困層ほど災害に弱い場所に住み、失うと元に戻しにくい状況にあります。気候変動は台風の数より強さと雨量を変え、その「引き戻される構造」を強めているかもしれません。 災害で積み上げたものが消える
  6. 06 生計・仕事 出稼ぎという「解決策」のコスト 海外で働くフィリピン人からの送金は、経済を支える柱のひとつです。一方で家族が離れて暮らすなどの代償もあり、その一部は日本国内でも起きています。 働いても暮らしが成り立たない

場所

名前だけが知られている土地の、いま

貧困の象徴として名前だけが知られている土地があります。多くは、何十年も前の像のまま語られています。 何年に何が起きて、いまそこに何があるのかを、日付と出典つきで書きました。

掲載している場所

支援団体

この国で活動している団体

フィリピンで活動する10団体を、法人格・寄付金控除・活動地域・分野・関わり方でまとめています。支援先を考えるときの参考にしてください。

フィリピンの団体を見る(10)→ 日本からできること