パヤタス
Payatas — 元ゴミ処分場
ケソン市にあった、マニラ首都圏最大級の開放型ゴミ処分場。2000年7月の崩落で218人が亡くなり、廃棄物法制が変わるきっかけになりました。2017年に恒久閉鎖され、約3,000人の廃品回収者が生計を失いました。
未確認 公開情報をもとにまとめたもので、団体への確認はまだです。 最終確認 2026年9月6日
関連する SDGs1貧困をなくそう11住み続けられるまちづくりを
いま、どうなっているか2026年9月時点
処分場は2017年に恒久閉鎖。周辺の居住地区には今も人が暮らしており、生計を失った元回収者の多くは代わりの仕事を得られていないと報じられています。日本のNPOによる教育支援が続きます。
何があったか
- 1970年代 ケソン市ルパン・パンガコに開放型の処分場として開設される。 [1]
- 1990年代 スモーキーマウンテン閉鎖後、マニラ首都圏のゴミと廃品回収者が集まる。処分場に依存する人は5,000人以上に達し、うち約2,000人が回収、約3,000人が周辺の非公式経済で暮らした。 [1]
- 2000年7月10日 豪雨でゴミ山が崩落し、続いて火災が発生。218人が死亡、行方不明者も出た。約100戸の住居が壊れた。 [2]
- 2000〜2001年 この事故が、廃棄物管理法(RA 9003、通称「2000年生態学的固形廃棄物管理法」)の成立を後押しした。 [1]
- 2004年 開放型から管理型の処分場に再編される。 [1]
- 2017年 恒久閉鎖。閉鎖前は約4,000世帯が処分場を住まいと生計の場にしていた。技能や移転先の制約から、多くが同等の仕事に就けなかった。 [1][3][4]
- 閉鎖後 一部はリサール州モンタルバンなど遠方の処分場へ移った。研究によれば、回収者の収入は1日あたり約20米ドルから約6.67米ドルへ、3分の1近くまで落ちた。 [4]
2000年7月の崩落
スモーキーマウンテンが閉じたあと、マニラの「ゴミ山」の像を引き継いだのがパヤタスです。大きな転機になったのは、2000年7月10日の崩落でした。数日続いた豪雨でゴミの山が崩れ、麓の住居を押しつぶし、そのあと火災が起きました。死者218人。この事故は国内の廃棄物政策を動かし、翌年の法律成立につながりました。
日本との関係も深い場所です。京都のNPO法人ソルト・パヤタスは、この地区での教育支援と女性の収入向上を1990年代から続けています。日本語で「パヤタス」を検索すると、そうした団体の活動報告と、事故当時の報道が混ざって出てきます。
閉鎖は解決ではなかった
2017年の恒久閉鎖で、処分場に依存していた数千人の生計が一度に消えました。廃品回収は、技能も資本も要らない代わりに、それ以外の仕事につながらない働き方です。閉鎖後に同等の収入を得られた人は少ないと報じられています。
これはスモーキーマウンテンの閉鎖と同じ構図です。危険な場所をなくすことと、そこで暮らしていた人の生計を立て直すことは、別の仕事です。前者は行政の決定で終わりますが、後者は何年もかかり、ニュースになりません。この地区で活動を続ける団体が担っているのは、その後者のほうです。
閉鎖のあと、人はどこへ行ったのか
このページで最も重要なのは、ここから先かもしれません。
2017年の閉鎖で仕事を失った人たちの一部は、リサール州モンタルバンなど遠方の処分場へ移りました。 同じ仕事を続けるには、そうするしかなかったからです。
収入がどうなったかを調べた研究があります。それによると、廃品回収者の収入は 1日あたり約20米ドルから、約6.67米ドルへ落ちました。3分の1近くです。 移転先の支援も、再訓練の取り組みも、元の収入水準を取り戻すには足りなかったと結論づけられています。
織物などの技能訓練を受けて別の仕事に移った人もいます。ただしそれは一部で、 全体としては閉鎖が世帯の貧困を深めたというのが研究の評価です。
ここに、このサイトが繰り返し書いてきた構図がもう一度出てきます。 危険な場所をなくすことと、そこで暮らしていた人の生計を立て直すことは、別の仕事です。 前者は行政の決定で終わり、ニュースになります。後者は何年もかかり、報じられません。
この場所と関わるなら
処分場はもうありません。見に行く対象ではなく、人が暮らす地区です。関わりたいなら、住民との関係を長く持っている団体を通すのが、相手にとっても自分にとっても筋の通った入口です。支援団体データベースで、活動地域にパヤタスを含む団体を確認できます。
この場所で活動している団体
あわせて読む
出典
- Wikipedia「Payatas dumpsite」(英語版)(取得: 2026年9月6日)
- Wikipedia「Payatas landslide」(英語版)(取得: 2026年9月6日)
- Inquirer「Closure of Payatas ordered」(取得: 2026年9月6日)