就学率だけでは見えないこと
フィリピンの就学率は、低くはありません。課題は、学校に通っているのに学べていないことにあるのかもしれません。World Bank と UNESCO の推計では、10歳の子どもの 91% が年齢相応の文章を読んで理解できないとされています。同じ指標で、インドネシアは53%、タイは23%です。
「貧しいから学校に行けない」という見方だけでは、この国の状況を十分に捉えきれないのかもしれません。
貧困とのつながり
読み書きが身につかないまま学年が上がると、授業についていけなくなり、途中でやめてしまうことがあります。学校をやめると、選べる仕事が限られ、収入も不安定になりがちです。その子が親になったとき、同じことが繰り返されるおそれもあります。学びのつまずきが、世代をまたいで貧困につながっている可能性があります。
栄養も関係しています。慢性的な低栄養(発育阻害)は、体だけでなく認知の発達にも影響するとされ、学校に入る前から差がついていることがあります。
支援を選ぶときの参考に
「学校を建てる」「文房具を配る」といった支援は分かりやすい一方で、この課題の中心には届きにくいかもしれません。効果があるとされているのは、たとえば次のような取り組みです。
- 就学前〜低学年の、読むことの支援(母語での読解を含む)
- 栄養と学びを一緒に支える取り組み
- 学校をやめそうな子に寄り添う個別の支援
寄付先を選ぶときは、「何人に配ったか」に加えて、「読めるようになったか」まで報告しているかを見てみると、違いが分かりやすいかもしれません。