フィリピン

日本からできること

「何かしたい」を、実際に取れる行動に翻訳するためのページです。 効果の大きさと、始めやすさは一致しません。両方を書きます。

1. お金を出す — 最も効率が良い

正直に言えば、個人ができることの中でこれが一番効きます。現地の人件費で動く団体にとって、 日本円の寄付は購買力が大きい。しかも渡航費もかかりません。

単発10万円より、月3,000円を3年のほうが価値が高い。 団体側は継続的な収入があってはじめて人を雇い、計画を立てられるからです。

選ぶときの軸

  • 寄付金控除が使えるか — 認定NPO法人への寄付は税制優遇の対象。同じ負担でより多く出せます。
  • 年次報告と会計を公開しているか — 公開していること自体が姿勢を示します。
  • 現地に自前の拠点と人がいるか — 日本から送るだけの構造だと、実施能力が外部依存になります。
  • 何を測っているか — 「何人に配ったか」ではなく「読めるようになったか」「収入が増えたか」を測る団体は、自分の仕事を検証しています。

月額寄付を受け付けている団体を見る(7件)→

2. 買う — 一次産業の貧困に直接届く

教育支援は寄付でしか関われませんが、農民・漁民の貧困は購入で直接関われる数少ない領域です。 コーヒー(ベンゲット、サガダ、カリンガ)、ドライマンゴー、カラマンシー、アバカや手工芸品など。

ただし「フェアトレード」の表示があれば良い、という単純な話ではありません。 実質的な判断材料は生産者がいくら受け取ったかを開示しているかです。

商品を扱っている団体を見る(2件)→

3. 技能を出す — 労働より価値が高い

現地の団体も日本の団体も、デジタル面が弱いことが多い。サイトが更新停止している、 寄付の導線がない、英語ページがない、SNSだけで運用している。

ここで、Webが作れる人の1週間は素人の肉体労働1か月より価値が大きい。 サイト再構築、オンライン寄付・定期課金の導入、支援者管理、海外発送を含むEC、活動報告のテンプレート化。

肝心なのは「無償で作ります」で終わらせないこと。 渡したあとに団体が自分で運用できる形にするところまでが仕事です。 作りっぱなしのサイトは、数年後には負債になります。

4. 行く — ただし1回目は「学びに行く」

現地に行くこと自体は価値があります。ただし1回目に支援を実行しようとしないことを勧めます。

  • 2週間、複数の団体を訪問して回る(1か所に張り付かない)
  • 現地スタッフに「何が足りないか」を聞くことに徹する
  • 行く前に支援先や金額を決めない
  • 受け入れ実績のある団体のスタディツアーに1本乗ると、紹介と安全確保が楽になる
  • 渡航前に外務省の海外安全情報を確認する(ミンダナオの一部は危険情報のレベルが高い)

スタディツアーを実施している団体を見る(7件)→

5. 日本国内で関わる — 渡航費ゼロで今日から

フィリピン国籍の人は日本の在留外国人の中でも多く、技能実習・特定技能、介護、国際結婚の家庭などで 全国に暮らしています。日本国内で起きているフィリピンの貧困問題があります。

  • 労働環境と権利の相談先が当事者に届いていない
  • 子どもの日本語教育(JSL)が追いつかず、進学で不利になる
  • ひとり親家庭の困窮
  • 送金手数料の負担(少額送金ほど率が高い)

石川県にも当事者がいます。ここは移動費ゼロで始められ、しかも現地渡航のときの人脈にもなります。

出稼ぎという「解決策」のコスト →

やらない方がいいこと

ここを外すと、善意が害になります。

  • 孤児院・児童養護施設でのボランティア。 途上国の施設児童の多くは親が生存しています。外国人の短期訪問は子どもの愛着形成を損ない、 施設を存続させる需要そのものになります(orphanage tourism の問題)。
  • 短期の建築ボランティア。 現地の日雇い労働者から仕事を奪います。素人が建てたものは品質も落ちます。
  • 中古品を集めて送る。 輸送費が中身の価値を上回ることが多く、現地の小売業を圧迫します。
  • 単発の寄付イベント。 受け入れと報告のコストだけ相手側に増えて、続きません。
  • 困窮を演出した写真の撮影・拡散。 撮られる側の尊厳の問題であり、同意なしの子どもの顔写真は特に避けるべきです。